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(2011.9.22.Thu)

さて、先日日本映画界にホットニュースが流れました。

あの高倉健さんが新作映画に主演されるというのです。
なんと6年ぶりでタイトルは「あなたへ」。


物語は北国に暮らしていた夫婦ですが、病死した妻の故郷九州に遺骨を運ぶというお話しとか。


「冬の華」「あ・うん」「鉄道員(ぽっぽや)」など18本もの作品をともにした降旗康男監督です。
来年秋公開予定です。


というわけで、今日は私の大好きな男優さん高倉健さんにスポットライトを当ててみたいと思います。


高倉健さんがトップスターになった記念的映画が「網走番外地」なのです。
主題歌も大ヒットしました。


名タイトル、名主題歌、石井輝男監督の映像センスの素晴らしさ、
高倉健さんの役名“橘真一”。
ピッタリの名前ですネ、と私は思いますが…



この役は3枚目ぶりと人間臭い“グッド・バッドガイ”。
不良だけど格好良い主人公を颯爽と演じています。

1965年から1973年、前18本も作られている大人気シリーズになっています。


「網走番外地」の前年に高倉健さんは「日本侠客伝」に主演します。

実は当初の主演は萬屋錦之介さんだったのですが、
時代劇専門の錦之介さんが降板となり、「高倉健」という売り出しの男を主役にと現場が盛り上がっていきます。


ところが着流し姿に日本刀を持たせた健さんはバッターボックスに立った野球選手みたいで、
スタッフが思わず吹き出したそうです。

それを聞いた萬屋錦之介さんが「おぉ、健チャンが主役なら、おいら助っ人するぜ」と助演を買って出ます。


監督はマキノ雅広さん。

スタッフが「こりゃダメだよ」言っていたのが撮影に入ったら、
マキノ雅広監督のイメージ通りの侠客になっていき、
とりわけ三白眼でタンカをきる所などもう誰も真似できない程で
現場のスタッフ・キャストも、これが「スター誕生の瞬間だ」と拍手喝さいだったそうです。

「日本侠客伝」シリーズになり11本作られます。

高倉健さんはここで名匠マキノ雅広監督に江戸っ子の粋といなせをきっちり勉強し、
1965年「昭和残侠伝」に主演します。

健さんの花田秀次郎、池部良さんの風間重吉の花と風コンビで男の美学を見せます。

なんと大学生を中心とした学生運動をしている人たちに、
弱者のためガマンと抵抗に命を懸ける構図が大受けして大ヒットします。

私もこのシリーズが大好きで、特にシリーズ全9作品中7作目の
「昭和残侠伝 死んでもらいます」は数えて20回くらいも見ています。

この映画の主題歌が流れると「よっ、健さん」と掛け声をしたくなります。



高倉健さんは福岡県出身
「私はバクチもやらず、酒もやらず、やくざになんか到底なれませんよ。
ただ映画俳優としてお客さんを喜ばす為にやくざを演じているだけです。」と健さんはおっしゃいます。


多くの監督たちが、映画の主人公以上に高倉健さんは、
男伊達でストイックと答えられます。惚れてしまいます。


1977年「幸福の黄色いハンカチ」以降、
大作映画「八甲田山」「野生の証明」「四十七人の刺客」などに主演しています。

朝10時とお昼3時に必ずコーヒーを飲まれるというコーヒー伝説は今もされているのでしょうか。。。


言っていいのかどうか高倉健さんは御年80歳になられます。
でも降旗監督は「いやいや昔と体型も全然変わらず20歳は若く見える」とおっしゃっています。



新作本当に楽しみですネ。

来年の秋、八丁座での公開を夢見ています。



●ジャン=リュック・ゴダール監督の「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」



改めて創り手の熱い想いが伝わる映画で何度見ても面白い。
最近のフランス映画はちょっと…日本映画にも言えることですが。

9月24日(土)より特集上映します。


是非、ご覧下さいませ。


●「木洩れ日の家で」


余生を静かに暮らしている女性の物語と思っていましたが意外でした。
犬に助演賞をやりたいくらいでした。

急遽、
10月1日から「八丁座」で
10月8日から「シネツイン新天地」でと上映延長します。
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(2011.9.20 Tue)

ながらくお休みして申し訳ございません。

実は8月と9月の中旬まで体調をくずしてしまい、入退院を繰り返しておりました。
それでなくても筆まめでない自分が…と反省しております。

皆さまは季節の変わり目体調には十分お気をつけて下さいませ。



さて、RCCラジオの「蔵本順子のシネマトーク」を少しさかのぼって書かせてもらいます。



東映名誉会長、日本映画界のドンともいえる岡田茂さんが亡くなられたのは5月9日、享年87歳でした。

3ヶ月以上が経つのですが、映画雑誌はもちろんテレビのワイドショーも多くの時間を費やし、
ある週刊誌は突然「仁義なき戦い」名場面・名セリフを16ページにわたって特集、“永久保存版”とまで銘打ちました。

それほどまでに注目された「仁義なき戦い」を作った男、岡田茂さんとはどんな人だったのでしょうか。


東広島市西条に生まれ、広島一中・広島高等学校時代は広島市内で生活、
学校の試験は常にヤマカンと謙遜しながらも首席で卒業。
東京帝国大学(現在の東京大学)経済学部に入学します。


ある関係者がこう言います。
「“天は二物を与えず”というが岡田茂さんは二物どころか五物も六物も与えている。
180センチの長身、俳優でもいいくらいの二枚目、柔道有段者、頭脳明晰、豪放磊落、広島弁まるだしのガラッパの飾らないしゃべりは人を惹きつけ、そして東大出ときている」と。



●その1

岡田茂さんが何度も繰り返された言葉は
「映画の魅力要素は“泣かせる”“笑わせる”“手に汗握る”だ。
映画のテーマは何でもいい!この3要素を入れろ」

そして今や名言ですが、現在の日本映画界ではタブーに近い“不良性感度”が大事なのだと豪語され、
撮影所では所内スピーカーで「戦場にかける橋」のクワイ河マーチをがんがん鳴らされて現場のテンションを上げていったようです。



その岡田茂さんの実力を本物にさせ、日本映画界に新風を吹き込んだのが
1963年製作「人生劇場 飛車角」です。

原作者の尾崎士郎さんに直接会って、

「先生失礼ですが“飛車角”をどうしても入れさせて下さい。
人生劇場だとお客が入りません」と懇願し説得します。
そして結果大ヒットします。



そんなわけで岡田茂さんは映画タイトルのつけ方の
不良性感度と、こだわりとヒラメキ、語呂の良さと漢字の見た目、
いかにも見に行きたくなるように、しかも誰もつけたことがない名タイトルでヒットを飛ばします。



当時、藤純子さんの大ヒット作「緋牡丹博徒」は緋牡丹と博徒の言葉が全く違うのはいいんだよ、と。

実はこの作品、当初予定題名は「女狼(おんなおおかみ)」でした。
やはり藤純子さんの凛とした美しさと緋牡丹がピッタリですよね。



また、大奥の話しを山田五十鈴さん、佐久間良子さん、藤純子さんのオムニバス3部構成の作品を
「大奥(秘)物語」とします。
岡田さんは当時「(秘)(まるひ)」が流行っていたからあえて大きく入れたそうです。



その他に「日本侠客伝」「昭和残侠伝」とあげていきますと、
漢字をうまく上と下の言葉の変化で見事な響きとリズムをもっています。

それは全て漢字5文字の座りの良さ、まるで江戸時代の歌舞伎の題名のごとくな感じかもしれません。





●その2

「東映の映画は国家のモラルから遠く離れたところにあるんだよ」と。

我々はゲリラなんだ、とも豪語され1972年深作欣二監督、菅原文太さん主演の「人斬り与太」シリーズのサブタイトルを「よっしゃ、これじゃ」とつけ、「狂犬三兄弟」。

またまた漢字5文字。

映画界をあっと言わせます。



この頃、着流し任侠物が下火になっていて、
悪でワイルドでパワーいっぱいの深作監督と菅原文太さんの狂犬三兄弟その勢いで作り上げたのが


1973年「仁義なき戦い」です。


これで日本の映画が変われるぞ、の熱い思いの現場は
手持ちカメラ、画面がななめになる、ナレーション、音楽のかぶせ方、時おり入る集合写真の不思議な味わい。

とにかくパワフルさいっぱいの映画です。



岡田さんは叫んだそうです。

「左翼も右翼も政治も関係あるか、わしらは大日本映画党だ」と。

映画は原爆のきのこ雲から始まります。
広島・呉のやくざの話しながら、どこの世界に(例えば政治界)置き換えても通用する人間喜劇でもあります。


誕生から38年を経ても、全く鮮度が落ちてなく傑作中の傑作です。
若い人でも見れば虜になってしまいます。


脚本を書いた笠原和夫氏は岡田茂さんにどなられたあの広島弁を使えばいいんだ、と本気で書いたそうです。


そして今や「広島弁シェークスピア劇」とも呼ばれ伝説になりました。
日本中でDVDレンタルが常に絶好調な理由は、圧倒される名セリフが散りばめられているからです。

松形弘樹さんが親分の金子信雄さんにたんかを切るセリフで
「神輿が勝手に歩けるいうんなら歩いてみいや、おう」

政界でも使われているかもしれませんね。






岡田茂さんを語り出したら本当に尽きません。
娯楽映画の全てを表現されたといっても決して過言ではありません。

東映創立60周年を全て勤め上げた人でもあります。


安心・安全・健康的という不良性感度から程遠い映画がたくさん作られている現代、
広島が生んだ天才映画人、岡田茂さんの娯楽映画とはこうあるべきだを、作品を見ながら知っていただきたいものです。



という訳で、あまり新作映画も元気を出して見ておりませんでした。
また感想を書かせていただきます。

プロフィール

蔵本順子

Author:蔵本順子
花本マサミさんの「映画ジョッキー」が、花本さんの急逝により、不肖わたくしにたすきをとのお声掛けがありまして、自信のないまま引き継がせていただいております。
放送時間は同じで、RCCラジオ日曜日の夕方5時30分。7月3日(日)よりスタート致しました。
ご意見、アドバイス、忠告なくしてはできませんので忌憚なくお寄せくださいますようお願い致します。

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